Virgule19<生産者の方の想いや情熱を届けたい!!>

<生産者の方の想いや情熱を届けたい!!>

 

 

 

 

<Green basket>

加藤さん (今回提供して頂いた食材:人参、アスパラ)
「自分はプレイヤーでいたい」と、そう語るのはグリーンバスケットジャパン株式会社の代表取締役社長の《加藤かい》さんである。加藤さんは父親の影響で農業に興味を持ちはじめ、勉強しはじめたのがきっかけである。
学校に行き農業について学んでいた加藤さんであったが、そこあったのは県や行政などが推奨している慣行栽培といわれる農薬や化学肥料を必要に応じて利用する栽培法が基本であるということである。だが、農薬をたくさん使う栽培方法に抵抗があった加藤さんは使わないという選択をした。
しかしながら、このような方法では安定供給が出来ないのでは?と、思うが加藤さんは《どの農薬を使うか、使わないかは農家の誠意である》と考えており、《改良された農薬さえも使わないのが加藤さんの誠意というものであった。》
一方で農家が求めているものは市場が買ってくれる形、見た目、大きさの揃ったものであり根本的な安全性、おいしさは入っていないというのが現実である。
それでも、農薬を使わない理由が《自分が思っているおいしさ》を大事にしているからである。そして加藤さんのいうおいしさというものはゆっくりと本来の自然に近い状態で育ち、育ったものである。これは、農場にいる菌や虫、草さえもとらずに育てたもののことである。
では、なぜこのように栽培するのか。それは単一の品種だけを育てるとその草を食す生物だけが大量に発生し、その野菜が全滅したりするからである。しかし、草を生やした環境で育てることで様々な生物がそこに来てくれ、生物の多様性がうまれ、そこで食物連鎖がうまれる。その結果、その野菜に農薬を使わずとも守ることが出来るのである。よって様々な生物が来れる環境にしたいので、なるべく草も抜かない方法をとっているのである。また、農薬については1つの作物が必要とする量くらいであれば問題はないと考えているが、成長速度が速すぎることと皆入れすぎることによりその土地に農薬が残り地下水を汚染したりすることが問題なのだと考えているようです。最後に食材をどのように使ってもらいたいかという質問に対し「素材の味をどのように活かすかは料理人の仕事であり自由に使ってもらいたい。」という答えが返ってきました。

〜コラム〜
皆さんは《硝酸態窒素》というものをご存知だろうか。これは農家からすれば夢のような農薬で、成長速度や見た目、色などを良くして育ててくれる農薬である。しかしながら欠点がある。それはエグ味の元にしかならないということである。(※オーガニック先進国であるEUはオーガニックの基準として硝酸態窒素の量も対象である。)そのため農薬の使っていない加藤さんの育てた野菜は野菜の見た目からもわかるように硝酸態窒素の値が非常に低い値を指している。

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<信州山肉プロジェクト>

宮川さん(今回提供して頂いた食材:鹿肉) 
宮川さん(63歳)長野の今年で40年目の猟師である。しかしながら筋肉年齢は36歳の宮川さんは山登りの速さなら誰にも負けないという。それは、ゆっくり山に登ってしまうと獲物が逃げてしまうため早く登る必要があったからである。そして、宮川さんが今、主に狩をしているのは鹿で、昔はイノシシが主流であった。何故なら、昔と今とでは違うかというと、この二頭は仲が悪いため、一方が増えるようになっているからである。鹿は餌がなくなると昼間から餌を探し出し、チョロチョロしている。それに対してイノシシはずっと寝ていたいタイプなため、寝ているところに鹿がきてしまっては邪魔なので、イノシシが北上し、結果として、減っているのである。また、イノシシの前はクマが多く、クマの狩をしていたがそれは、イノシシが山に来たためクマが里に出てくるようになったからである。
そして、高山村には鹿がいなかった時代に宮川さんが初めて鹿をとったときはイノシシ又はカモシカだと思っていたが、ニホンジカだとわかった際には20人以上が鹿を見にきたそうでお祭り騒ぎになったという。
それが現在では鹿が7割、イノシシが3割という割合になっている。
宮川さんの狩りの仕方は銃での狩猟である。ここでポイントとなるのが胃袋を割ってしまうと、菌がいるため、頭を狙うということである。そして、仕留めたらすぐにその場で、血抜きを行うということである。なぜなら、30分も立ってしまうと、発酵してしまい、半日も置いてしまうと毛細血管の血が固まってしまい、身体中に嫌な香りが広がってしまうためである。また、処理する際は胃袋を切らないように捌き、胃袋はできるだけ早く摘出することがポイントである。
味としては冬の時期は餌が少なく、オスの方は味が落ちてしまうがメスの方は美味である。また、動物が食べているものの差で味にも差が出てくるのだが、どんぐりはジビエにとって良質な餌であり、イノシシの油がしっかりしているのも餌のおかげである。
最後に何故、宮川さんは30年間も猟師を続けられたのかと聞いたところ「好きだから」という単純な理由であった。

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<信州たかやまワイナリー>

鷹野さん(今回ご提供頂いた食材:ワイン)
鷹野さんが目指す、理想のワイナリーとは、日本庭園のように「自然の状況を生かしつつ人の手を加えた調和」を生み出せるワイナリーだ。
高山ワイナリーでは、近所の人に手伝ってもらったり、様々なキャリアの人が集まって毎年ワインを作っている。
そうする事で近所の人からは直接声を聞く事ができ、みんなのキャリアを生かしてより精度の高いものを作る事ができている。
そして、地域の声に応えるワインはその土地のワインとなり、産地化につながる。
その輪を広げていく事でグローバルな規模に発展するかもしれない。
高山はそれに適した場所だという。
高山ワイナリーにはワインの引き出しが沢山ある。つまりいろんな種類のワインが作れる。しかし、それを全てお客さんに進めていたらきりがない。
なので、高山ワイナリーではワインをブレンドし、高山の中庸(偏ることなく、物事の間を取ること。)のワインを作っている。それは地域全体を表現することになるのだ。
地域の中庸、一見無個性のように思える。しかし世界で見ればそれは高山のワインということになる。それが産地化というものだ。
まとめとして最初の話に戻るが、高山ワイナリーが目指す日本庭園の様な調和とは、地域に根ざしたぶどうや近所の人の声、それが自然であり、その自然に求められるワインを作ることが人間が手を加えるべきところ。
その調和を目指しているのが高山ワイナリーだ。

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<池田薫はちみつや>

池田さん(今回ご提供頂いた食材:はちみつ)

Q.なぜ蜂蜜を作りたいと思ったのですか?

A里山に咲く花を求めて飛び回る、ミツバチと共にある生活がしたかったからです。そして、養蜂をはじめたら自然とはちみつが採れました。

Q.生産者さんからお客様に伝えたい事はなんですか?

A:おいしいく、えぐみなく、体に良い。そんな蜂蜜を体に採るなら、非加熱で混じり物のないはちみつを選んで購入されたほうが良いですよ。

Q.蜂蜜を作る上でのやりがいを教えてください

A:お客様に喜んでいただける事です。例えば、はちみつ嫌いだった方がうちの蜂蜜を食べて好きになったと聞いた時、やっていて良かったなと感じました。

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<シモタファーム>

霜田さん(今回ご提供頂いた食材:ハーブ類、ごぼうナスタチウム

野菜、土壌のことなど調べ尽くし、敷地内にラボ(研究室)すら存在する場所がある、それは茨城県にあるシモタファームという農園だ。

シモタファームさんでは、何故、糖尿病になるのか、何故、癌になるのか、を新潟薬科大の名誉教授と20年以上調べ、おいしいだけではなく、安心安全をプライドに野菜作りをしている。事実、ここでは野菜も健康的で、かなり日持ちが効く。例えば、他のところでは1週間しか持たないようなものですらここでは2週間、3週間も日持ちが効く。チャービルも普通はすぐに黄色くなってしまうがここでは冷蔵庫で1週間以上、日持ちする。これは、シモタファームさんでは土作りから行なっているため、土からして健康的であることが由来しているといえる。

また、シモタファームさんでよく出てきたワードとして硝酸塩というものがある。これは、自然界に普通に分布しているものだが、硝酸塩が量が多すぎたり、日光が不十分だと硝酸塩がアミノ酸、タンパク質に合成されず、植物体中に貯まるという性質を持っている。そして、この硝酸塩というものは人が多く摂取をした場合、最初に糖尿病になり最後には発癌性がとても強い物質となってしまう。また、硝酸塩が高いと抗酸化能、ビタミン類が減り、逆に硝酸塩が低いと抗酸化能、ビタミン類が増えるという仕組みとなっている。事実、シモタファームさんでは抗酸化能の値が高く、硝酸塩がかなり低い値を示しているため、シモタファームさんの野菜を採用している病院もある。

このように、シモタファームさんでは、野菜に関することを客観的に科学的に分析し、数字で理解することで、さらに健康的でおいしい野菜作りを可能としている。

また、シモタファームさんの理念は「ただ物を作るのではなく、体にいいものとはをここでは売るだけでなく、最後までお客さん一人一人に、行き渡ることまでを考え、野菜を作っている」と、売ったその後のことも考えている農園であった。

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〈有限会社土遊野〉

河上さん(今回ご提供頂いた食材:卵、鶏肉)
河上さんは富士市で30ヘクタールもの広大な敷地で養鶏、野菜、合鴨農法の米を生産している、農業家である。
「土と共に遊べる野原のような場所であればいい」そんな願いを込めて名付けられたのが"土遊野"である。ここでは鶏卵がとても人気で、ここで生産された鶏卵はレモン色の黄身をしていて、濃厚でクリーミーな味わいが特徴的である。普通、肉鶏はずっとご飯を食べれる環境下で育てるが、土遊野では決まった時間に餌を与え、広い空間を与えることでアスリート体型のよく動く鶏たちとなっている。また、土遊野の鶏舎では不快な臭いがあまりない。その秘密は餌にある。土遊野では、国産原材料を混ぜ合わせた手作りの餌を食べさせ広いスペースで自由に歩かせなるべくストレスを与えないで育てる。そして鶏の糞を利用し、米や野菜などの肥料にし収穫物を鶏に与える。循環型の生産スタイルが土遊野のこだわりだ。河上さんの養鶏に対する考え方は「卵を2年間しっかり産んでもらってこっちが大事に育ててあげないと行けないと思っています。生き物は正直だから伝わってしまう。いい加減に飼育したら調子悪く育ってしまうし、手を抜けば抜いた分返ってきてしまう、手を掛ければかけた分返ってくる。」と、生き物を大切にしている河上さんだからこそ持てる考えかたであった。
〜命を奪うということ〜
この仕事は、時には懸命に生きようとしている命までも奪わなければならない。食品を作り生計を立てるというプロセスの中では避けて通れない道だ。そして、命をいただくということに河上さんは「皆どこかでお肉なってスーパーや食卓にいく。必ずそこがあって食べてもらえる。だから鶏を育てれば後は誰かがやってくれるという考えにはならない。」「最初は『ごめんね』という気持ちが少しあったが、人はこうして肉を食べていると知り、『ごめんね』という気持ちで向き合ったら失礼だと思った。私達はその仕事を選び卵を収穫してお肉にする道を選んでいるので『ありがとう。』その命のおかげで食べてお金に替えて生活をしている。なので、『ありがとう』 という気持ちで向き合っている。でも、あまり気持ちの良い仕事ではないですね。」というように、この仕事は農作物を作るという綺麗事だけでは終われない。河上さんは生産者という立場になって気が付いたことがある。それは、「動物は人間より長く生きない、でも一生懸命この中で生きたり敏感にしたり人間社会で悩む事はそんなに大したことではない。自分の五感と手を活かして食料が自分の手で作れる。農業は育てる仕事だと思っていたけれど基本、他の"命を奪う"仕事でもある。なので『ありがとう』という気持ちで向かい合い、人と卵を作り肉になっていく鶏とを繋ぐ場所にしたいです。」そして、最後に、河上さんにとってプライドとは...「『大地への敬意です』太陽が昇って空気を吸える。季節を巡ってまた芽吹く命たちがある。人を支える生き物や自然に感謝と敬意を持っている。地球にありがとうと思っていますね。」

 

 


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